「精神医学」への手紙
「仲のよい老夫婦」が危ない
平井 茂夫
1
1入間平井クリニック
pp.694
発行日 2006年6月15日
Published Date 2006/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100780
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高齢化が進行し,老々介護が問題となって久しい。先日も老夫婦が火葬場で心中した事件が報道された2)(以下引用)。
「八十代の老夫婦が焼身自殺し,遺体は焼けて白骨状態であった。妻は数年前から認知症だった。まきで火をおこした火葬炉に一緒に入り,内側から金属製の扉を閉めた。夫は,自宅をはじめ不動産を市に寄付する遺言書をしたため,市役所宛てに郵送していた。いつも一緒で,本当に仲の良い夫婦と言われていた。夫はおとなしい性格で,最近は疲れた感じだったという。」
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