Expertに学ぶ画像診断・9
Endocytoscopy
工藤 進英
1
,
森 悠一
1
,
池原 伸直
1
,
若村 邦彦
1
,
久津川 誠
1
,
和田 祥城
1
,
工藤 豊樹
1
,
宮地 英行
1
,
山村 冬彦
1
,
大塚 和朗
1
,
井上 晴洋
1
,
浜谷 茂治
2
Shinei KUDO
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
2昭和大学横浜市北部病院病理科
pp.1652-1660
発行日 2011年12月20日
Published Date 2011/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103875
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はじめに
大腸内視鏡診断学は,拡大内視鏡の登場によって生体内で腫瘍表面の腺口形態(pit pattern)の観察が可能になることで大きな進歩を遂げた1~3).Pit pattern診断学は非腫瘍・腫瘍の鑑別だけでなく大腸癌の深逹度診断においても高い正診率を示し,大腸腫瘍の診断において欠くことのできない診断学へと成長した.Pit pattern診断は消化管粘膜をリアルタイムに詳細に観察し,主に組織の構造異型を反映しているものと考えられる.
このような流れから,われわれはさらに詳細な内視鏡診断を求めて,生体内で構造異型だけでなく,核異型を含めた細胞異型までの診断を可能としうる大腸用超拡大内視鏡(endocytoscopy:EC)をオリンパス社と共同開発している.ECはリアルタイムでの病理診断に肉薄した診断(endoscopic pathology)を可能とする次世代型の内視鏡と位置づけ,われわれは積極的に臨床研究を進めている4~6).本稿では,われわれの提唱するEC分類を中心として4),大腸EC観察の有用性について報告する.
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