交見室
外科と麻酔
出口 浩之
1
Hiroyuki DEGUCHI
1
1ときわ病院外科
pp.1246
発行日 2011年9月20日
Published Date 2011/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103724
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麻酔科医が病院からどんどん去っていき,手術症例を制限せざるを得なくなったというニュースは,最近はあまり聞かれなくなった.実際に充足しているのかどうかは知る由もないが,一部ではフリーター麻酔科医の病院常勤医への回帰も始まったとの噂も耳に入る.ただ,これも事の子細は明らかではない.今回は,公表してもよいのか,あるいは非難されることも覚悟のうえ,外科医である私の日常業務の一端を披露する.
大学を卒業して医師となってすでに30年が経過したが,このうち麻酔業務に携わらなかったのは研修医1年目のみで,以後,今日に至るまで通常の業務として麻酔業務を行ってきた.昭和50年代後半,研修医2年目の病院でのことだが,現在50歳以上の方々には十分に理解していただけると思うが,当時は麻酔科常勤医が勤務する病院は現在に比べてはるかに少なく,よほど重い合併症がない限り中小病院においては同僚の外科医が麻酔を行い,ほかの者で手術を行う時代であった.
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