書評
中野 浩(著)「IBDがわかる60例 炎症性腸疾患の経過と鑑別」
牧山 和也
1
1特別医療法人春回会井上病院
pp.960
発行日 2011年7月20日
Published Date 2011/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103645
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本書は,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)の診療と研究をめざす者だけでなく,IBD専門医にも必読を勧めたい著書である.
潰瘍性大腸炎は約135年前に,クローン病は78年前に初めて報告されているが,いまだ原因不明で若年者に発症のピークがあり,人生を左右しかねない難治性疾患である.当然のことながら基礎的研究は細菌学的,免疫学的,遺伝子学的研究を主体に著しい進歩がみられるが,いわゆるdisease historyからみた探究は極めて少ない.本書は,治療と長期経過から病理学的所見を加味しdisease historyを詳細に観察した正に臨床研究論文である.
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