特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第1章 外 科
C.消化器外科
炎症性腸疾患(IBD)
荻野 崇之
1
,
水島 恒和
1,2
1大阪大学大学院医学系研究科消化器外科
2大阪大学大学院医学系研究科炎症性腸疾患治療学寄附講座
pp.1775-1777
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1775
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炎症性腸疾患(IBD)とは
炎症性腸疾患(inflammatory bowel diseases:IBD)は消化管に原因不明の炎症を起こす慢性疾患の総称であり,潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)とCrohn病(Crohn’s disease:CD)の2つの疾患からなる.患者数は全世界およびわが国においても増加の一途をたどっており,わが国におけるUC患者数は17万人,CD患者数は4万人を超える.腸管免疫の異常がIBDの発症に深く関与すると考えられているが,いずれの疾患においても明らかな発症機序はいまだに不明である.UC,CDともに若年者に発症することが多く長期にわたって治療が必要となるため,QOLを低下させるだけでなく就学・就労・結婚・出産など社会活動の妨げとなることが問題である1).
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