Japanese
English
臨床報告
18か月の経過観察後に胃癌の転移と判明した回腸潰瘍の1例
A case of ileal ulcer diagnosed as gastric cancer metastasis after 18-month observation
澤田 俊哉
1
,
小棚木 均
1
,
吉楽 拓哉
1
,
酒井 梨香
1
,
吉川 雅輝
1
,
大内 慎一郎
1
Toshiya SAWADA
1
1秋田赤十字病院外科
キーワード:
転移性小腸腫瘍
,
胃癌
,
難治性小腸潰瘍
,
低分化腺癌
Keyword:
転移性小腸腫瘍
,
胃癌
,
難治性小腸潰瘍
,
低分化腺癌
pp.671-676
発行日 2011年5月20日
Published Date 2011/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103563
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要旨
患者は75歳,男性.2008年7月に下血で発症した.上部消化管内視鏡検査(GTF)では胃潰瘍瘢痕を認めた.下部消化管内視鏡検査(CF)で終末回腸に3か所の不整形潰瘍を認め,生検では良性であった.18か月後でも潰瘍性病変に変化がなかった.2010年1月のGTFで胃体部に4型胃癌を認めた.胃癌と難治性小腸潰瘍の診断で胃全摘術と回盲部切除術を施行した.病理所見では胃癌は非充実型低分化腺癌で,終末回腸の潰瘍性病変はいずれも胃癌の小腸転移と診断された.胃癌の小腸転移の報告は稀である.自験例では18か月前には診断できなかった.小腸潰瘍が胃癌の転移である可能性も念頭に置くべきと考えられた.
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