Japanese
English
臨床報告
ヘルニア囊内子宮内膜症を合併した鼠径ヘルニアの1例
A case of inguinal hernia with hernia-sac endometriosis
吉楽 拓哉
1
,
小棚木 均
1
,
酒井 梨香
1
,
澤田 俊哉
1
,
吉川 雅輝
1
,
大内 慎一郎
1
Takuya KICHIRAKU
1
1秋田赤十字病院外科
キーワード:
鼠径ヘルニア
,
子宮内膜症
Keyword:
鼠径ヘルニア
,
子宮内膜症
pp.377-380
発行日 2011年3月20日
Published Date 2011/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103477
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要旨:鼠径ヘルニア囊内に子宮内膜症を認めた1例を経験した.患者は29歳,女性で,右鼠径部の痛みと腫脹を主訴に受診した.身体所見,超音波検査などから鼠径ヘルニアとして手術した.鼠径管を開けるとヘルニア囊を認め,その末梢側では陳旧性血液が貯留して周囲と高度に癒着していた.術中に鼠径部痛が月経周期と関連することを聴取して,子宮内膜症を合併する鼠径ヘルニアと診断した.このため,ヘルニア修復とヘルニア囊末梢側を広く切除して子宮内膜組織を完全摘出した.術後の病理結果でも同部に子宮内膜組織を認めた.鼠径ヘルニアに,月経時に増強する痛みや,術中に陳旧性血液の貯留を認める場合には本症を疑って治療する必要がある.
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