特集 悪性腫瘍の術中病理診断を効果的に活用する―どこを検索すべきか,どう対応すべきか
扉
pp.413
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103490
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悪性腫瘍を扱う外科医にとって,術中病理診断(組織診断,細胞診)の重要さはいうまでもない.すべての手術が確定診断のもとに行われているわけではなく,術中の良悪性の診断は,術式に大きな変更をもたらす.また悪性腫瘍では,切除断端の評価,リンパ節転移の有無は,切除範囲に直結している.しかし限界もあり,境界病変では迅速標本による良悪性の鑑別が困難なことがある.一方,手術中に採取された検体からの標本の作製,診断結果の報告までを限られた時間の中で行うことは,病理医や検査技師にとって負担の大きいものである.このように術中病理診断は,永久標本による最終病理診断とは異なる意味を持ち,外科医と病理医の間で正確な情報の伝達と意思の疎通が必須である.
本特集では,外科の立場から各領域について「どの症例,どの部位を検索すべきか」をテーマに,より適切な術中病理診断の活用について執筆いただいた.また,術中病理診断を依頼され診断する病理医の立場から,その正確性,限界,外科医へのリクエストなどについて見解を示していただいた.
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