Japanese
English
臨床報告
腹腔内停留精巣から発生した精上皮腫の1例
A case of seminoma in the undescended intraabdominal testis
村上 敬祥
1
,
見市 昇
1
Takayoshi MURAKAMI
1
1聖マルチン病院外科
キーワード:
腹腔内停留精巣
,
精上皮腫
,
高齢発症
Keyword:
腹腔内停留精巣
,
精上皮腫
,
高齢発症
pp.1309-1313
発行日 2010年9月20日
Published Date 2010/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103196
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要旨:患者は77歳,男性.主訴は右下腹部腫瘤と腹痛.腹部CTで右下腹部に約10cm大のほぼ球形の腫瘤を認めたため,摘出術を施行した.被膜を有する約10cm大の球状腫瘍が回腸・後腹膜に浸潤しており,腫瘍と回盲部を一塊に摘出した.病理組織はpure seminomaで,後腹膜側の切除断端は陽性であった.画像上も腫瘍遺残が認められたため,化学療法と放射線療法を追加施行したところ,完全奏効が得られた.腹腔内停留精巣は悪性化の傾向が強いうえに,腫瘍が増大するまで無症状のことが多いため,停留精巣の早期発見・治療および経過観察が重要である.本症例は停留精巣から発生した精上皮腫としては本邦最高齢であり,また,集学的治療が効を奏し6年の生存が得られている.
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