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特集 [臓器別]消化器癌終末期の特徴とターミナルケア
肝癌の終末期の特徴とターミナルケア
Palliative care in hepatocellular carcinoma with cirrhosis
阿部 雄太
1
,
菊池 哲
1
,
高野 公徳
1
,
島津 元秀
1
Yuta ABE
1
1東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科
キーワード:
緩和治療
,
肝癌
,
癌性疼痛
,
腹水
,
肝性脳症
,
消化管出血
Keyword:
緩和治療
,
肝癌
,
癌性疼痛
,
腹水
,
肝性脳症
,
消化管出血
pp.1254-1259
発行日 2010年9月20日
Published Date 2010/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103182
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要旨:肝癌患者はほかの消化器癌患者と異なり,明らかに肝硬変という基礎疾患を有することが多い.したがって,緩和すべき症状は腹水貯留,肝性脳症,消化管出血など肝不全に伴うものが多く,決して癌の終末期のみに現れるものではないことが特徴と言える.よって,終末期に捉われず早期から症状に対する緩和的医療を行うことが望ましい.さらに最近の治療選択肢の多様化によって肝癌患者の闘病期間も長期化しており,緩和治療のニーズは今後もさらに高まると考えられる.また,肝不全によって薬物の副作用が容易に出現することも留意すべきである.抗癌治療と緩和医療はほかの消化器癌と同様に癌の診断・治療と表裏一体をなす必要がある.本稿では,肝癌で最も頻度の高い肝細胞癌の終末期管理について知見をまとめた.
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