増大号 肝疾患 臨床検査でどう迫る?
序章 総論
—肝臓に起こる主な病気—肝硬変
淺岡 良成
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
肝硬変
,
腹水
,
肝性脳症
Keyword:
肝硬変
,
腹水
,
肝性脳症
pp.1032-1037
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203410
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はじめに
肝硬変は,慢性肝障害の終末像である.原因では,ウイルス性が最も多かったが,スクリーニングや治療の進歩により減少し,アルコール性や非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)によるものが増加している.
原因に対する治療により肝病態の増悪を防ぐとともに,患者管理に関しては,肝癌や静脈瘤の定期的なサーベイランスを行い,肝硬変の症状である腹水や肝性脳症に対する治療によりQOL(quality of life)を維持することが重要である.
そのためには,各種検査により炎症,線維化,発癌リスクなどを精確に把握し,状態に応じて治療,検査計画を立てる必要がある.
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