カラーグラフ エキスパート愛用の手術器具,手術材料・19
下肢静脈瘤手術に愛用の手術器具・材料
折井 正博
1
Masahiro ORII
1
1東海大学医学部心臓血管外科
pp.1065-1070
発行日 2010年8月20日
Published Date 2010/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103141
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はじめに
下肢静脈瘤のなかで外科的治療の対象となるのは大伏在静脈,あるいは小伏在静脈の弁不全を主因とする伏在静脈瘤であり,その根本的な治療法がいわゆるストリッピングである.伏在静脈治療の原則は①伏在静脈本幹の逆流を止めること,②不全穿通枝の遮断,③静脈瘤をなくすことである.本来,ストリッピングとは伏在静脈本幹の抜去を意味する用語だが,一般には②,③も含めた根治術と同義に使われる.伏在静脈瘤でも本幹の拡張・蛇行が軽度な例や,抗凝固療法中でストリッピングは避けたい例などには静脈結紮併用硬化療法が選択される.
筆者は大伏在静脈のストリッピングは腰椎麻酔で,小伏在静脈のストリッピングは膨潤麻酔(tumescent local anesthesia)あるいは腰椎麻酔で,静脈結紮併用硬化療法は局所浸潤麻酔で行っている.腰椎麻酔の場合,入院は2~4日である.
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