Japanese
English
臨床報告
HIV陽性で,回盲弁狭小化による腸閉塞をきたした1例
A case of bowel obstruction due to ileocecal cicatricial stenosis in human immunodeficiency virus
末田 聖倫
1
,
池永 雅一
1
,
安達 智洋
2
,
安井 昌義
1
,
宮崎 道彦
1
,
辻仲 利政
1
Toshinori SUEDA
1
1国立病院機構大阪医療センター外科
2土谷総合病院人工臓器科
キーワード:
human immunodeficiency virus(HIV)
,
回盲弁狭小化
,
CD4
,
腸閉塞
Keyword:
human immunodeficiency virus(HIV)
,
回盲弁狭小化
,
CD4
,
腸閉塞
pp.1031-1035
発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103133
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要旨:患者は38歳,男性.HIV感染症でhighly active anti-retroviral therapy(HAART)の導入中であった.腸閉塞を繰り返し発症し,保存的治療で改善していた.経過中の下部消化管精査で回盲弁の狭小化を認めていたが,腸結核などの特異的な所見は得られなかった.2008年9月に腸閉塞で緊急入院した.CD4値は100cells/mm3前後で,免疫不全状態が持続していた.腸閉塞は保存的に改善することもあり,CD4値の改善を第一としたが,腹部症状が増悪したため手術を施行した.以前から認めていた回腸末端の狭小化が原因と考え,回盲部切除術を施行した.病理組織学的には特異的な炎症像や感染を示す細胞像および悪性所見も認めなかった.HIV陽性で何らかの炎症所見によって回盲弁狭小化による腸閉塞をきたした1例を経験したので報告する.
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