Japanese
English
特集 消化器外科手術における新しい潮流
経口アンビルを用いた食道-空腸吻合
Advances in circular stapling technique for esophagojejunostomy:transoral placement of the anvil(OrVilTM)
福永 哲
1
,
比企 直樹
1
,
明石 義正
1
,
野原 京子
1
,
片山 宏
1
,
窪田 健
1
,
愛甲 丞
1
,
熊谷 厚志
1
,
大山 繁和
1
,
佐野 武
1
,
山口 俊晴
1
Tetsu FUKUNAGA
1
1癌研有明病院消化器外科
キーワード:
経口的アンビル挿入法
,
OrVilTM
,
食道-空腸吻合
,
胃全摘
,
腹腔鏡下胃全摘術
Keyword:
経口的アンビル挿入法
,
OrVilTM
,
食道-空腸吻合
,
胃全摘
,
腹腔鏡下胃全摘術
pp.628-632
発行日 2010年5月20日
Published Date 2010/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103051
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要旨:上部消化管に対する腹腔鏡下手術において食道-空腸吻合をより簡便に行うために,われわれは自動吻合器のアンビルを口から入れて食道断端まで誘導する方法を2000年にわが国ではじめて行い,「経口的アンビル挿入法」と命名した.この経口的アンビル挿入法は肥満手術のgastric bypassでの胃囊-空腸吻合に試された方法を応用したもので,当初は既存のPC-EEAのtilt-top Anvilを加工して使用したが,2007年からOrVilTMとして商品化され,使用することが可能になったため,より便利になった.この方法の利点は,①消化管を開放せずに,容易かつ安全に吻合予定部にアンビルを誘導できること,②難易度が患者の体型に左右されないこと,③ほかの吻合法と比べて食道周囲の剝離範囲が少なくてすむこと,④食道の切除が高位になった場合でも対応できることなどである.単純で習得も簡単なために急速に普及し,現在では腹腔鏡下手術だけでなく開腹や開胸の手術にも取り入れられつつある.また,吻合部位についても,食道-空腸吻合のみならず食道切除後の食道-胃管吻合や幽門側胃切除後のRoux-en-Y再建の胃-空腸吻合などにも使われており,今後のアンビルのサイズ展開によって上部消化管のみならず全消化管に応用することが可能となると考えている.
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