昨日の患者
執筆は自己アピール
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.456
発行日 2010年3月20日
Published Date 2010/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103017
- 販売していません
- 文献概要
人は何ゆえ文章を書くのであろうか.書くことを生業とした職業人は別として,多くの人は書くことによって自己をアピールし,そして心が穏やかになる.癌のターミナルになっても文章を書き続けたSさんを紹介する.
Sさんは90歳の時に大腸癌で手術を受けた.進行期癌にもかかわらず術後経過は良好で,時おり外来にも顔を出した.また,術前と同様に家庭園芸に勤しみ,ボケ防止と称しては日々の感じたことを同人雑誌などに投稿した.そして,今までに執筆した随筆を集めて自費出版し,主治医の私に贈呈してくれた.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.