麻酔科医日誌・11
麻酔科医からのアピール
山下 九三夫
1
1国立東京第一病院麻酔科
pp.72-73
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204499
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麻酔科医へ批判・中傷・要求あれこれ 麻酔科とは,手術のときに術者のつごうのよいように患者を眠らせる科である.その証拠には,例の麻酔科標傍の資格に‘300例以上の麻酔器を用いて全身麻酔の経験があるもの’となっているではないか.忙しい,忙しいと言いながら,ペインクリニックなどやるのはけしからん.ましてやできもしないのにICUなどとはおこがましい.日曜や休日に急患の手術をやろうと思っても,どこにおるかわからないのははなはだつこうが悪い.やたらに新しい薬を使いたがっているが,患者が病棟に帰ってVital signがわからなくて困る.患者の術後の痛みはパピアトを使っておけばそれがいちばんよい.術後に咳嗽をしろといっても,自分でしようとしないような術後疼痛の処置をしてもらっては困る.
回復室は手術棟の看護婦の定員をふやすわけにはいかないから開かなくてよい.その代わり,術後の患者は麻酔科の医師が病棟まで送ったらどうか.
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