Japanese
English
臨床報告
術前診断が困難であった肝硬化性血管腫の1切除例
A case of hepatic sclerosing hemangioma mimicking a malignant liver tumor
吉田 月久
1
,
杉町 圭史
1
,
祇園 智信
1
,
副島 雄二
1
,
相島 慎一
2
,
武冨 紹信
1
,
前原 喜彦
1
Tsukihisa YOSHIDA
1
1九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科
2九州大学大学院医学研究院形態機能病理学
キーワード:
肝硬化性血管腫
,
FDG-PET
,
転移性肝腫瘍
,
肝内胆管癌
Keyword:
肝硬化性血管腫
,
FDG-PET
,
転移性肝腫瘍
,
肝内胆管癌
pp.451-455
発行日 2010年3月20日
Published Date 2010/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103016
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要旨:患者は75歳,女性で,右乳癌に対する術前検査中に肝腫瘤を指摘された.造影CT,MRIで肝S5/6に早期相で周囲が造影され,遅延相で内部が濃染する径3.7cm大の腫瘍を認めた.FDG-PETでは肝に異常集積はなかった.右乳癌は21mm大の囊胞性病変であり,細胞診ではductal carcinomaと診断された.これらは腺癌に矛盾しない画像所見と考え,肝内胆管癌もしくは乳癌肝転移の診断で肝S5/6部分切除術および右乳房部分切除術を施行した.病理組織学的検査で肝硬化性血管腫と診断され,悪性の所見はなかった.肝硬化性血管腫は稀な疾患であるが,肝乏血性腫瘤の鑑別診断の1つとして認識しておく必要があると考えられた.
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