外科医が知っておくべきウイルス肝炎の最新治療
C型肝炎移植患者の術前・術後管理
池上 徹
1
,
永田 茂行
,
副島 雄二
,
武冨 紹信
,
祇園 智信
,
杉町 圭史
,
内山 秀昭
,
吉住 朋晴
,
原田 昇
,
前原 喜彦
1九州大学 消化器総合外科
キーワード:
肝炎-C型
,
肝細胞癌
,
肝臓移植
,
脾臓摘出術
,
Interferon Alfa-2b
,
リビングドナー
,
周術期管理
Keyword:
Hepatitis C
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Splenectomy
,
Liver Transplantation
,
Living Donors
,
Perioperative Care
,
Interferon Alfa-2b
pp.399-406
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009143159
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わが国においてC型肝炎関連肝疾患に対する生体肝移植症例が増加しているが、その移植後成績は、5年生存率約70%といまだ十分満足できるものではない。移植後グラフトロスの原因としては、敗血症や多臓器不全などの急性期合併症、肝細胞癌の再発、移植後ほぼ100%と考えられるC型肝炎再発などが主要なものであり、その成績向上にはC型肝炎および肝細胞癌の両面からの移植適応時期の理解、術後の病態を意識した術前評価および術後管理、安定した免疫抑制療法の理解と実践、移植後インターフェロン治療の実践とその完遂率を向上させるための工夫などが重要と考えられる。本稿では、それらC型肝炎関連肝疾患に対する生体肝移植患者の術前・術後管理に関する概説を行う。
©Nankodo Co., Ltd., 2009