Japanese
English
臨床報告
緩徐な経過をたどり術前診断が困難であった大網裂孔ヘルニアの1例
A case of transomental hernia difficult to diagnose preoperatively due to quiet progress
近藤 昭宏
1
,
浅野 栄介
1
,
諸口 明人
1
,
岡田 節雄
1
Akihiro KONDO
1
1坂出市立病院外科
キーワード:
大網裂孔ヘルニア
,
内ヘルニア
,
術前診断
Keyword:
大網裂孔ヘルニア
,
内ヘルニア
,
術前診断
pp.281-284
発行日 2010年2月20日
Published Date 2010/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102978
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要旨:症例は36歳の男性で,2006年2月腹痛で入院となった.入院時の腹部CTで内ヘルニアが疑われたものの,臨床所見では腸管虚血所見はなく経過観察となった.入院後,腹痛は軽快したが膨満感は残存したため第6病日に腹部CTの再検査を施行したところ,やはり内ヘルニアが否定できず手術を施行した.開腹すると空腸が大網の異常裂孔より背側から腹側に脱出しており,大網裂孔ヘルニアと診断した.小腸は切除せず,大網裂孔の切開を行ったのち閉腹した.術後は問題なく軽快し,退院した.大網裂孔ヘルニアは稀な疾患で,術前診断には腹部CTが有用であると報告されている.しかし本症例のように病状が緩徐に経過し,術前診断が困難な場合もあり注意が必要である.
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