特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
5.大腸
前方切除術後の手縫いによる結腸-直腸吻合
平井 孝
1
Takashi HIRAI
1
1愛知県がんセンター中央病院消化器外科
pp.248-251
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102810
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はじめに
直腸の切除手技である前方切除は,肛門側切離線が腹膜翻転部以下となった場合を低位前方切除,それ以上を高位前方切除と呼ぶ.吻合としては口側結腸と残存直腸の吻合を行う.吻合線が腹膜翻転部より口側になると,肛門側直腸に漿膜が残って腸管壁の強度が保たれるとされるが,残るのは前壁の一部であり,吻合での腸管壁の強度は高位・低位前方切除ともほぼ同じと考えられる.もちろん,低い部位での吻合である低位前方切除のほうが,視野の展開に工夫を要し,操作も難しくなる.
現在,前方切除では,保険で使用が認可されたため吻合器を用いる施設が多いと思われるが,諸事情で吻合器を使用できない場合には手縫いによる吻合も必要であり,習得しておくべきであろう.
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