病院めぐり
公立野辺地病院外科
三上 泰徳
1
1公立野辺地病院外科
pp.505
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102535
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当院は青森県下北半島付け根の陸奥湾に面した野辺地町にあり,野辺地町(ホタテが有名),横浜町(なまこが有名),六ヶ所村(原燃施設がある)からなる3か町村の北部上北事業組合の公立病院で,2008年に50周年を迎えました.病床は一般180床,療養48床の計228床で運営されています.2006年あたりから患者さんが減少し,公立病院改革ガイドラインの基準である70%以上の病床利用率の達成が厳しく,また,医師充足率も青森県ではじめて緩和措置を受けており,病院の存続が危ぶまれるほど追い込まれていました.最近の医療情勢から当院も例外ではなく,この3年で小児科,産婦人科,脳外科の3診療科から大学医局の医師集約の方針で医師が撤退しました.常勤医は内科3名,外科3名,整形外科2名です.また,嘱託で小児科医師1名,県立中央病院後期研修の地域研修として外科1名の計10名,そして歯科口腔外科の1名で診療を行っています.
外科は,外科一般のほかに透析センター(17床)と療養病床(48床)を担当しており,一人一人の仕事量はかなりなものとなっています.手術は自家麻酔で,年間150件ほどこなしています.外科は消化器を中心に行っていますが,大きな病院で乳癌を専門に何年も扱ってきた医師も2名いますので,最新の乳癌治療も手がけています.さらに1人は救命救急と外傷の専門医で,BCL/AED講習やICLS開催などで病院スタッフや救急救命士を指導講習しています.このような小規模病院では必修の初期研修は提供できませんが,研修すれば大きな経験と指導を受けられるだろうと思い,県立中央病院の後期研修医に声をかけ,半年間一緒に仕事をしてもらっています.
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