病院めぐり
公立岩瀬病院外科
土屋 貴男
1
1公立岩瀬病院外科
pp.1170
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212172
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当院のある須賀川市は福島県のほぼ中央に位置しており,東洋一の牡丹園や日本三大火祭りで知られる松明あかしなどが有名です.当院は須賀川市および周辺町村組合立の地域中核病院であり,設立は1872(明治5)年にまで遡ります.当時地域の先覚者たちが近代医学導入のため創立し,1873年には院内に須賀川医学校が併設されました.当時の医学校には全国から医療を志す若者が集まったと言われます.稀代の政治家で関東大震災後の帝都復興に尽力した「後藤新平」もその一人です.当院の外来棟3階にはギャラリー「後藤新平ホール」が設置されており,同氏に関連した手紙や書,写真などが閲覧できます.2011年の東日本大震災では病院外来棟が被災しましたが,新外来棟が2013年に完成し,2017年3月からはNICU,GCUを併設した周産期センターが供用開始となり,現在では診療科目23科,病床数279床にて運用されています.附属高等看護学院も併設しており,臨床研修指定病院として現在も教育に力を入れています.
当院外科は常勤医6人で,消化器外科,一般外科,乳腺甲状腺外科,呼吸器外科疾患に対応しています.2017年の手術件数は636例で,外科医一人あたりの症例数が多いのが特徴です.内訳では消化器疾患が多く,胃癌,大腸癌,肝胆膵悪性腫瘍などの手術で地域のがん診療を担っています.また,当院の特色として腹腔鏡手術が多いことも挙げられます.胆摘やヘルニア以外にも胃癌・大腸癌や肝・膵切除にも積極的に腹腔鏡手術を導入し,腹腔鏡手術は年に300例を超えています.また,肝胆膵疾患においては,開腹による血管合併切除を伴う高難易度手術も手掛けています.
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