元外科医,スーダン奮闘記・33
北ダルフール(2)
川原 尚行
1
Naoyuki KAWAHARA
1
1NPO法人ロシナンテス
pp.91-94
発行日 2009年1月20日
Published Date 2009/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102443
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バドラディーン医師
空港に降り立ってテレビ取材を受けたのち,州知事が用意してくれた車に乗り込んだ.向かう先は知事公舎である.ここがダルフールでの宿泊場所となる.スーダンの州知事の権限は大きく,もちろん大変な権力を持っている.その権力の通りに公舎も立派なものである.ダルフール紛争で多くの難民がいるなか,単純にギャップを感じてしまう.
今回,すべてのアテンドを行ってくれるのはダルフールのバドラディーン医師である.彼は,日本にも招聘したことのあるイブン・シーナ病院の内科医のアドデルムネイムの友人であり,そのアドデルムネイルが紹介してくれた.知事とも親しいようで,一医師がここまで行政のトップと親しいのは,まあスーダンではよくあることであるが,日本では珍しい.彼を通じてダルフールでの行動予定を立てた.難民キャンプ,教育病院,大学,各省庁,国連関係,国際NGO訪問などを組み入れようとした.
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