元外科医,スーダン奮闘記・32
北ダルフール―渡航まで
川原 尚行
1
Naoyuki KAWAHARA
1
1NPO法人ロシナンテス
pp.1755-1757
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102412
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国際刑事裁判所
前回,ダルフールに行ったのは2008年の1月の終わりであった.あれからスーダンやダルフールを取り巻く環境,状況は変わってきた.まず,大統領の側近が2月に日本を訪問した.そして,5月に横浜で開催されたTICAD(アフリカ開発会議)にバシール大統領が参加した.スーダン政府が日本政府に対して何かをしてくれとのメッセージを残したことだと思う.その後,7月に日本からの国会議員団がスーダンを訪問した.まさにその最中に,国際刑事裁判所(International Climinal Court:以下,ICC)が大統領を訴追するための逮捕状を請求したのである.その日に日本からの議員団は大統領に招かれ,対談を行っている.どのようなことが話し合われたのかは不明である.この議員団はダルフールの視察を予定していたが,ICCの逮捕状請求の動きを察して国連がスーダンに制裁措置をとるのではと警戒し,視察は中止となった.
この議員団は日本からサッカーボールを持参してきてくださり,ロシナンテスを通じて一部はスーダン・ユースチームに,また一部をダルフールのサッカー協会へ手渡すこととなった.ダルフールへは直接,われわれが運ぶことを約束した.
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