外科診療に潜むピットフォール―トラブル回避のためのリスクマネジメント講座・8
砕石位での手術後に発生した腓骨神経麻痺
山本 貴章
1
Takaaki YAMAMOTO
1
1東京海上日動メディカルサービス株式会社
pp.1579-1582
発行日 2008年11月20日
Published Date 2008/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102376
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外科領域では直腸癌の開腹手術や腹腔鏡下手術において砕石位で比較的長時間の手術が行われます.婦人科や泌尿器科でも同様に砕石位の手術はごく普通に行われています.術野の確保や手術操作のためには非常に優れた手術体位ではありますが,両下肢を挙上して固定するため,固定が外れて下肢が落下して骨折するなど事故が発生しやすい体位でもあり,十分慎重な体位設定が必要です.さらに,下肢を不自然な形で固定するため,圧迫による神経麻痺のトラブルが報告されていますが,意外にこの神経麻痺について気にとめていない外科系医師が多いようです.
そこで,今回は直腸癌術後に発生した腓骨神経麻痺についてのトラブルを報告してみます.
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