Japanese
English
特集 十二指腸病変に対する外科的アプローチ
〔治療方針とその治療成績〕
各種治療成績からみた十二指腸乳頭部癌の治療方針
Treatment strategy for ampullary carcinoma
阿部 展次
1
,
杉山 政則
1
,
鈴木 裕
1
,
柳田 修
1
,
正木 忠彦
1
,
森 俊幸
1
,
跡見 裕
1
Nobutsugu ABE
1
1杏林大学医学部外科
キーワード:
十二指腸乳頭部癌
,
Vater乳頭癌
,
乳頭部癌
,
治療方針
Keyword:
十二指腸乳頭部癌
,
Vater乳頭癌
,
乳頭部癌
,
治療方針
pp.1551-1555
発行日 2008年11月20日
Published Date 2008/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102367
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要旨:乳頭部癌の標準的治療は外科的切除であり,その術式としては(幽門輪温存)膵頭十二指腸切除術が主軸である.内視鏡的切除や経十二指腸的乳頭切除,膵温存手術などの各種の縮小治療の有用性を論じた報告もあるが,膵頭十二指腸切除術の成績を上回るエビデンスは十分とは言えず,それらの適応には慎重な対応が必要である.これらの縮小治療は,リンパ節転移を伴わない一部の早期癌に対する治療法としては有望であるが,その術前診断は困難であることも少なくなく,現時点では手術ハイリスク例や膵頭十二指腸切除術拒否例などに対するオプションとして位置づけるほうが妥当と思われる.将来的には診断技術の向上がなされ,各種縮小治療の成績が出揃い,それらに基づいて個々の症例における過不足のない根治性とQOLを考慮した切除法が選択できるようになることが望まれる.
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