ひとやすみ・39
外科学教室
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.275
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102344
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わが国における歴史ある医学部においては,創立以来2つの外科学教室があるのが一般的である.そして,同じ大学とは言え,互いに伝統を重んじて競い合い,派遣先病院を含めて人事交流がないのが通常である.
私は大学卒業後,某国立病院で初期研修を受けた.将来のことは余り考えずにたまたま寄宿先の先輩の縁で病院を選択したが,指導医はすべてK教室の出身であり,2年間の研修後はK教室に入局するのが慣例であった.私も漫然とながらK教室に入局するつもりでいた.しかし,臨床が楽しくて4年間も研修していたら,K教室には同級生が15人も入局していた.今さら彼らの後塵を拝する気にはなれず,もう一方のS教室を選択することにした.恐る恐る外科のボスに相談したら,「前例はないが,それもよいだろう」と,快くS教授への懇切丁寧な推薦状を書いてくれた.
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