特集 肛門疾患診療のすべて
8.痔瘻
痔瘻の診断と分類
松島 誠
1
,
田中 良明
1
,
下島 裕寛
1
,
岡本 康介
1
,
香取 玲美
1
,
杉田 博俊
1
Makoto MATSUSHIMA
1
1恵仁会松島病院大腸肛門病センター
pp.201-207
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102335
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要旨 痔瘻は痔核に次いで頻度の高い肛門疾患であり,手術治療の適応となるものが多い.痔瘻の診断は,その病態を十分に理解してまず痔瘻か否かを判断し,次にどのようなタイプの痔瘻かを診断・分類のうえ,それぞれに適切な治療方法を選択し施行する.治療の主体は観血的治療であるが,病型の複雑さや機能障害のリスク,再発に対する不確実性などの点で症例によっては肛門科専門医であっても難渋する例が少なくはない.術前・術中の経肛門的超音波検査や術前MRIなどでより正確な診断を行うことが重要である.痔瘻の分類は諸家によって報告されており,海外においてはParks分類が用いられることが多いようだが,わが国では病変の部位・進展方向・複雑性を立体的に表現できるという点から隅越分類が主に用いられている.
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