Japanese
English
特集 生体の修復
総説
創傷の治癒
Wound healing
手塚 統夫
1
Tsunao Tetsuka
1
1自治医科大学生化学第二講座
pp.97-106
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903174
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もしも外科患者の数パーセントでも傷の癒合が起らなかったり遅延したりするものであったなら外科医は容易に手術にふみきれないであろうし,現在の外科学も存在しなかったに違いない。幸いに,このような例は稀であって,外科の日常業務を阻害するには至っていない。しかしきわめて稀ながら,創傷治癒の遅延を示す症例は存在するのであり,近年になってそれらにおける欠損因子もおいおい明らかになってくると,創傷の治癒機転そのものにも多くの知見が加えられるようになってきた。これらの知見がきわめて広い領域にわたっていることは,図1からも想像されようし,Rossがその総説2)の冒頭にあげている問題点からも察することができる。
問題点の概略はつぎのようである。
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