特集 創傷治癒と理学療法
皮膚移植後の創傷治癒と創傷管理
高見 佳宏
1,2
,
木村 雅彦
3
,
渡邊 彰
4
Takami Yoshihiro
1,2
1医療法人聖仁会西部総合病院形成外科
2杏林大学医学部熱傷センター
3杏林大学医学部リハビリテーション科
4医療法人聖仁会 西部総合病院 リハビリテーション科
pp.345-351
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100297
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はじめに
形成外科では主に皮膚・軟部組織の外科治療,手指の外科治療,頭蓋顎顔面の外科治療を行っている.その中心となる治療方法は組織(皮膚,皮下組織,筋,腱,神経,血管,骨)の移動と移植であり,中でも皮膚移植は形成外科を代表する基本手技である.最近はマイクロサージャリーや顔面骨延長術のような,形成外科手術法の目覚しい進歩の陰に隠れて,皮膚移植術の注目度が極度に低下した感がある.しかし皮膚移植を理解することは,皮膚の構造や創傷治癒についての基本的な知識を得ることであり,それによって皮膚移植以外の新しい手術療法についての理解も深まるものと考えられる.本稿では皮膚移植の臨床例を提示しながら,皮膚移植の生着・治癒過程と術後のリハビリテーションについて概説する.また皮膚移植の最近の動向についても触れる.本稿がこれから皮膚移植患者のリハビリテーションを進めようとする方々の参考資料の1つとなれば幸いである.
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