特集 癌診療に役立つ最新データ2007-2008
Ⅷ.胆管癌
胆管癌の疫学に関する最新のデータ
向谷 充宏
1
,
信岡 隆幸
2
,
木村 康利
2
,
水口 徹
2
,
古畑 智久
2
,
平田 公一
2
Mitsuhiro MUKAIYA
1
1北海道社会事業協会函館病院(函館協会病院)
2札幌医科大学外科学第1講座
pp.251-256
発行日 2007年10月22日
Published Date 2007/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101908
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要旨:わが国における胆管癌疫学的研究についてのデータを検索し得る範囲で最新のものに更新し,その特徴を紹介した.厚生労働省の人口動態統計によれば,2004年の胆道癌死亡者数は約1万6,000人で,全悪性新生物中の5%を占めている.癌死亡数の将来予測によると,2000年の胆道癌死亡数に対する2020年のその比率は,増加率が2.16倍になると予測されている.胆管癌のリスク要因としては,膵管胆道合流異常症,原発性硬化性胆管炎が認められており,分子生物学的因子におけるリスク要因は確定されていない.これまで統計上,胆管癌とともに胆囊癌および十二指腸乳頭部癌などが一括されてきたが,今後は細分類を基礎とした統計資料の公表と分析により,疫学的研究のいっそうの進歩・発展が望まれる.
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