臨床外科交見室
地方私立総合病院小児外科の小さな挑戦—あれから1年半たちました
末 浩司
1
1飯塚病院小児外科
pp.1196-1197
発行日 1999年9月20日
Published Date 1999/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903722
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昨年,大胆にも臨床外科交見室の欄をお借りして宣戦布告(臨外53:454,1998),先も案じられた当科の日帰り手術は,おかげさまで比較的順調に進み,現在は150例を超えました.やっと患者家族への啓蒙期間が終わったというところでしょう.当初心配した患者側の受け入れもアンケート調査では,日帰りにしてよかったという意見が多くほっとしています.確かに若い御両親の場合,この不況下,仕事や家庭のことを考えると,できるなら日帰り手術で,安全ならばOKという方が多かったのかもしれません.患者家族の中には生命保険の入院給付金との兼ね合いで日帰りに難色を示される方もいて,長期入院の根源がこんなところにあるのかもしれないと考えさせられたりもしました.
スタッフのほうはどうかというと,以前に比べ,何か問題があっては一大事,死活問題になりかねないと患者家族との接触は従来以上になりました.術前日の電話再診,術翌日の電話再診.もちろん患者家族にも13ページに及ぶ小冊子(看護スタッフ中心に作成)(図)を術前に十分に読んで勉強していただき万全を期してきました.一方病床は空床が目立つことが多くなり事務や他科の目も気になるようになり,ストレスはこれまで以上になりました.
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