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当院は四国の西南地方に位置しており,1910年に町立宇和島病院として設立されました.以後,徐々に病棟,診療科が整備され,現在は21科,一般病棟470床,救命救急センター20床,療養病床60床,感染病床4床,結核病床4床,計559床の総合病院です.当地は以前より交通の便が悪く,県都の松山から100km離れており高速道路もないため,当地方の最終病院として機能してきました.救命救急センターを併設し,災害拠点病院,地域癌拠点病院,臨床研修病院に指定され,日本医療機能評価機構の認定も受けています.田舎ですが対象人口が多く,当院しか総合病院がないため,24時間,365日いつでも診察,入院ができる体制を敷いているため多忙な毎日です.現在,病院全体では1日外来数1,161人,1日入院患者数538人,病棟利用率96.3%,在院日数14.2日です(平均).
外科は一般外科6名,心臓血管外科3名,シニアレジデント2名で診療を行っており,2006年の実績は全症例1,093例でした.心臓血管外科135例,胸部外科76例で,そのうち冠動脈バイパス術が27例,肺癌手術が48例(胸腔鏡下手術27例)でした.一般外科手術例は888例で,胃癌手術が74例(LADG 6例),結腸・直腸癌121例(LAC 27例),肛門疾患81例,虫垂炎79例,胆石・総胆管結石165例(腹腔鏡下143例),肝胆膵悪性腫瘍20例,ヘルニア87例,乳癌50例でした.腹腔鏡下手術は1991年から開始してLSCの累積は1,990例となっており,本年中に2,000例を突破すると思われます.そのほか肺癌,胃癌,結腸,直腸癌に対しても積極的に内視鏡下手術を行っています.しかし,レジデントの教育もあって開腹手術も大切であり,これだけの手術件数をこなすためには手術時間も重要な要素となるため,内視鏡下手術の適応を吟味して手術を施行しているのが現状です.
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