Japanese
English
臨床報告・1
胆石性胆囊炎に続発した肝鎌状間膜膿瘍の1例
Falciform ligament abscess, subsequently complicated by chronic cholecystitis:Report of a case
小川 宰司
1
,
山本 雅明
1
,
佐々木 賢一
1
,
渋谷 均
1
,
今 信一郎
2
,
平田 公一
3
Tadashi OGAWA
1
1市立室蘭総合病院外科
2市立室蘭総合病院病理部
3札幌医科大学第一外科
キーワード:
肝鎌状間膜
,
膿瘍
,
超音波
,
CT
,
MRI
Keyword:
肝鎌状間膜
,
膿瘍
,
超音波
,
CT
,
MRI
pp.1127-1130
発行日 2007年8月20日
Published Date 2007/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101807
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はじめに
肝鎌状間膜は,臍より肝臓に至る2枚の腹膜で形成されたヒダで,肝の前面から腹側面に至り,その後肝冠状間膜,左三角間膜の2葉に分かれる.また,肝鎌状間膜は胎生期の臍静脈の遺残物である肝円索,傍臍静脈や脂肪組織などで構成される1).肝鎌状間膜膿瘍とはこの部位に膿瘍が形成された状態を指し,新生児期や乳幼児期の臍炎に由来する肝膿瘍の原因として多くの症例報告2~4)をみるが,成人発症例の報告は極めて少なく,また報告例での感染経路は明らかではない.
今回,胆石性胆囊炎を契機に発症したと考えられた肝鎌状間膜膿瘍の稀な成人例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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