外科学温故知新・23
膵臓外科
武田 和憲
1
Kazunori TAKEDA
1
1国立病院機構仙台医療センター外科
pp.1083-1088
発行日 2007年8月20日
Published Date 2007/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101799
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1 はじめに
膵癌や下部胆管癌に対する膵頭十二指腸切除術は今や消化器外科の標準術式として普通に行われている.膵頭十二指腸切除術は「Whippleの手術」とも呼称されるが,これは,Whippleがはじめて膵頭十二指腸切除術に成功したことを意味するわけではない.Whipple以前にも膵頭十二指腸切除術を成功させた外科医が何人か存在する.しかし,Whippleが膵頭十二指腸切除術の成功例を報告したのち,堰を切ったように次々と膵頭十二指腸切除術とその再建法が報告され,世界中に広まったのは事実である.
膵臓の手術では,このほかに慢性膵炎に対するPuestowの手術やBegerの手術などそれぞれの術式の創始者の名前をつけて呼ばれる手術も多く,それぞれに歴史があるが,本稿では誌面の都合上,膵の手術として最も代表的な膵頭十二指腸切除術を中心にその端緒を探り,その後の展開を述べたい.
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