コーヒーブレイク
時の流れと神様
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.686
発行日 2007年5月20日
Published Date 2007/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101770
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- 文献概要
数か月前,通常の手順で無事に終了したはずの患者さんで,数日後に再手術を行う事態が発生しました.なんとか再手術は成功してことなきを得ましたが,栄養状態の悪化から腹壁創部に感染が起こり,しばらくの間,傷の処置に努めることとなりました.医学的には起こり得ることと自分を慰めてはみても,毎朝夕の回診に加え,ご本人やご家族への説明にかなりのストレスを感じる日々が続くこととなりました.
そんな必死な日々が一段落し,あれこれと考える余裕が出てきた頃になって,「私が処置し,神が治し賜う」という,パレ先生のあの有名な言葉が頭に浮かんできました.そして,「確かに,毎日私が傷の処置をして,そのたびに早く治ってくれと祈っているよな」と納得したとき,ずいぶん前に先輩から教えられた言葉が思い出されました.
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