特集 クリニカルパスによる外科医療の進歩
第Ⅰ部:クリニカルパス導入の実践
クリニカルパス作成の実例
5.肝・胆・膵
内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)のクリニカルパス
宇野 耕治
1
,
安田 健治朗
1
Uno Koji
1
1京都第二赤十字病院消化器科
pp.123-128
発行日 2003年10月22日
Published Date 2003/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101568
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はじめに
近年,医療の標準化,患者サービスの向上,チーム医療・EBMの推進といった観点からクリニカルパス(以下,パス)の導入が進められている.さらに急性期病院特定加算の要件としてパス形式の入院診療計画書の作成,在院日数の規定が盛り込まれ,diagnosis related groups/prospective payment system(DRG/PPS)の導入も予想されるといったパスを推進する情勢の変化が出現している.
当院でも昨年,クリニカルパス委員会が正式に発足し,パスの作成,審査,管理,見直しなどの活動を展開している.当科では以前から検査・治療手技に関して,前もって作成したプロトコールに基づいて術前・術後の管理を行ってきた.その中でこれまでに上部消化管内視鏡的治療,下部消化管内視鏡的粘膜切除術(EMR),内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)のプロトコールをパス化し,出血性胃十二指腸潰瘍のパスを加えて計4種類のパスを運用している.現在,その他の検査・治療手技のプロトコールのパス化を進めているが,今回は試作試行中の内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)のパスを呈示し,その特徴などについて述べていく.
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