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手術手技
会陰部に浸潤した直腸肛門癌に対する骨盤内臓全摘術および腹直筋による有茎筋皮弁形成移植術
Total pelvic exenteration and vertical rectus abdominis myocutaneous transposition flap reconstructionfor anorectal cancer invading the perineo-genital region
太田 博俊
1
,
澤泉 雅之
2
,
高橋 孝
3
,
関 誠
1
,
山田 和彦
1
,
二宮 康郎
1
Ohta Hirotoshi
1
1癌研究会附属病院消化器外科
2癌研究会附属病院整形外科
3千葉医療生命科学総合病院
キーワード:
腹直筋皮弁
,
有茎移植
,
直腸癌会陰外陰皮膚浸潤
,
骨盤内臓全摘
Keyword:
腹直筋皮弁
,
有茎移植
,
直腸癌会陰外陰皮膚浸潤
,
骨盤内臓全摘
pp.1255-1259
発行日 2003年9月20日
Published Date 2003/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101512
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はじめに
最近の直腸癌は,肛門温存術が可能な進行程度で発見・処置される例が増加してきている.しかし,このような時代に直腸癌が高度に進行し隣接臓器(膀胱,前立腺,精嚢,腟,子宮)に浸潤・波及し,骨盤内臓全摘術(TPEと略)を施行しないと治癒切除が得られない症例を年に1~2例経験する.また,最近は膀胱のみに浸潤している場合はTPEにせず,膀胱浸潤部を切除して膀胱再建を行って,回腸導管を回避する術式で根治する例も経験する1).
直腸切断例では,会陰部は一期的に縫合閉鎖できることが多いが,肛門に近い直腸癌が会陰部の泌尿生殖器に浸潤・波及しているときは広範な合併切除を余儀なくされ,会陰部の一期縫合ができず,薄筋を利用し筋皮弁を形成し移植することで,創傷治癒に大きく貢献してきたが2),両側大腿内側に手術侵襲が加わり大腿筋の筋力低下のため,しゃがみ,立ち上がりに不自由を訴える例があった.術後経年的に,その運動動作は回復してきたが,階段の急ぎの登りや走りは制限されたままであった.その障害を回避する目的で,腹直筋皮弁を利用して有効な再建ができ,QOLを高く維持した生活を送ることができたので,その手術手技の詳細を報告する.
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