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特集 骨盤外科手術を極める―悪性腫瘍に対して安全で確実な手術を行うためのA-to-Z
II. 各論:手術の実際
5.腹腔鏡下骨盤内臓全摘のピットフォールとトラブルシューティング
Laparoscopic pelvic exenteration:pitfall and troubleshooting
木村 慶
1
,
宋 智亨
1
,
桐木 雅人
1
,
城本 航
1
,
片岡 幸三
1
,
池田 正孝
1
K. Kimura
1
,
J. Song
1
,
M. Kiriki
1
,
W. Jomoto
1
,
K. Kataoka
1
,
M. Ikeda
1
1兵庫医科大学
キーワード:
骨盤内臓全摘
,
pelvic exenteration
,
仙骨合併切除
,
局所再発
Keyword:
骨盤内臓全摘
,
pelvic exenteration
,
仙骨合併切除
,
局所再発
pp.1366-1375
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka87_1366
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骨盤内臓全摘術(pelvic exenteration:PE)における主要なピットフォールは,内腸骨血管からの出血,根治切除(R1/2切除とならない対策),骨盤死腔炎予防,会陰側マージン確保困難である.特に坐骨棘近傍では解剖学的制約によりマージン確保が困難で,R1/2切除となるリスクが高い.まず,内腸骨血管からの出血において,内腸骨静脈からの出血は止血が困難であり,静脈の血管壁に沿った剝離と,迅速に出血点を特定して止血する操作が重要である.R1/2切除を避けるためには,術前の画像評価,腫瘍の生物学的特性の評価による手術適応の判断に加え,切除範囲の詳細な検討が不可欠である.骨盤死腔炎予防にはマージン確保を考慮したうえで臓器温存を検討し,死腔の大きさに応じて大網・筋皮弁による骨盤内の充塡を行うことが重要である.会陰側でのマージン確保が必要な症例では会陰特有の解剖理解と腹腔側のための剝離のゴールを設定することがマージン確保に有効である.本稿では,PEの手術手技,ピットフォールとそのトラブルシューティングについて解説する.

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