特集 Q&A器械吻合・縫合のコツ
Q2 タバコ縫合した消化管の拡張方法のコツは?
河野 浩二
1
,
松本 由朗
1
Kono Koji
1
1山梨大学医学部第1外科
pp.304-305
発行日 2003年3月20日
Published Date 2003/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101250
- 有料閲覧
- 文献概要
自動タバコ縫合器,あるいはタバコ縫合鉗子(巾着縫合器)のいずれを用いても,タバコ縫合糸をかけ終わり,巾着器具をはずした時点では,腸管の前後壁は軽く圧縮され付着している.この際には,確実に前後壁の粘膜面を同定し,鑷子,あるいはアリス鉗子で付着を解除し,腸管内腔を確認する.
その後,腸管全層を3~4本のアリス鉗子で確実に把持し,その内腔をアリス鉗子もしくは腸鉗子で,前後左右方向に1~2回拡張する(図1).ゆっくり均等に力をかけることが肝要で,無理な拡張は腸管に裂傷を生じる.また,この際,タバコ縫合された糸は十分に緩めておく必要がある.緊張がかかると巾着糸の脱落が生じて,巾着操作が不確実になる原因となりうる.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.