特集 Q&A器械吻合・縫合のコツ
Q6 タバコ縫合糸の結紮のコツは?
大野 聡
1
,
高倉 範尚
1
Ohno Satoshi
1
1社会保険広島市民病院外科
pp.312-313
発行日 2003年3月20日
Published Date 2003/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101254
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器械吻合において,食道もしくは口側腸管にアンビルヘッドを挿入しタバコ縫合糸を結紮する際にもいくつかの注意点がある.タバコ縫合に用いる糸は,結紮していくときにタバコ縫合をかけた組織の間を滑りやすい材質のナイロン糸を用いるために,結紮点が緩みやすいのも事実である.
したがって,第一結紮後に先の細い鉗子で結紮点を押さえてもらって第二結紮へ進むか,第一結紮を外科結紮にすると緩まずに締めることができる.もう一つの注意点としては,食道-空腸吻合の際にアンビルヘッドを挿入する食道,あるいは前方切除術で腹腔内のみで側端吻合を行う際のアンビルヘッドを挿入する直腸のいずれも,十分に周囲組織を剥離しておき,タバコ縫合糸を結紮するときに結紮点に過度の緊張が掛からないようにしておくことが大切なことである.
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