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特集 外科領域におけるインフォームド・コンセントと医療安全対策
心臓血管外科におけるインフォームド・コンセントと医療安全対策
Informed consent for cardiovascular surgery
許 俊鋭
1
Kyo Shunei
1
1埼玉医科大学心臓血管外科
キーワード:
インフォームド・コンセント
,
心臓血管外科
,
医事紛争
Keyword:
インフォームド・コンセント
,
心臓血管外科
,
医事紛争
pp.219-224
発行日 2007年2月20日
Published Date 2007/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101182
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要旨:インフォームド・コンセント(以下,IC)で説明する短期・長期の心臓血管外科の手術成績はあくまで平均であり,個々の症例のリスクを十分説明するものではないし,手術結果がよくなかった場合の言い訳にもならない.必要なことは,それまでの治療歴も含めて十分に検討したうえで手術治療の選択を患者・家族にしてもらい,治療法の選択における自己責任を十分に認識してもらうことである.医事紛争を回避するには,ICを繰り返すことによって手術死亡や合併症による後遺症の可能性を十二分に理解してもらったうえで手術することが唯一の方法である.しかし,それでもなお患者や家族が手術結果に不満を持った場合にICが免罪符にならないことをわれわれは銘記すべきである.逆にICが不十分な場合は,不十分なICを理由に訴訟となり得る.ICが十分に行われたとしてもマスメディアを巻き込んだ医事紛争を回避する決定的手段に何らなり得ないのが今日の日本の嘆かわしい現状である.
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