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特集 消化器外科医に必要な低侵襲治療の知識
上部消化管出血に対する低侵襲性治療―内視鏡的止血法の実際
Endoscopic hemostasis as a minimally invasive treatment for upper GI bleeding
熊井 浩一郎
1
,
相浦 浩一
1
Koichiro KUMAI
1
1慶應義塾大学病院内視鏡センター
キーワード:
緊急内視鏡
,
内視鏡的止血法
,
IVR止血法
,
緊急外科手術
,
decision making
Keyword:
緊急内視鏡
,
内視鏡的止血法
,
IVR止血法
,
緊急外科手術
,
decision making
pp.1175-1181
発行日 2006年9月20日
Published Date 2006/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101125
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要旨:消化管出血は臨床医にとって遭遇する機会の多い病態であるが,最近は非手術的な低侵襲治療である内視鏡的止血法が止血治療の第一選択となっている.内視鏡的止血法には止血機序の異なる種々の方法があり,出血源や出血状況に応じて選択する.噴出性出血や露出血管などがよい適応であり,90%前後の良好な止血効果が報告されている.消化管出血患者の診療において最も重要なことは,一連の流れのなかでのdecision makingである.Primary careとして全身状態の把握と管理を行いつつ,緊急内視鏡の適応を判断する.緊急内視鏡の目的は,出血源の探索,出血状況の診断,それに引き続いての内視鏡的止血法の選択と実施である.多数例ではないが存在する止血不能例や再出血例に対しては,施設の体制を踏まえた緊急IVRや緊急外科手術の選択において,消化器外科医によるdecision makingが必要となる.
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