海外医療事情
ハンガリーの医療事情
大久保 雄彦
1
,
村上 三郎
1
,
辻 美隆
1
Katsuhiko OKUBO
1
1埼玉医科大学外科
pp.1591-1594
発行日 2004年12月20日
Published Date 2004/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101112
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はじめに
奇妙な縁から,筆者らの教室はハンガリー国の4つの医科大学,国立がんセンターなどと深い連携をもっており,毎年student exchange programによる数人の学生の交換,外科医相互の訪問と研鑽を続けている.かく申す筆者らもハンガリーのデブレツェン医科大学,国立がんセンターにおいて大変な例数の乳癌はじめ種々の癌を経験し,それ以降も交流を続けている.
我々はヨーロッパを西ヨーロッパと東ヨーロッパに2つに区分すべきものと錯覚しているが,実は第二次世界大戦までイタリア-スイス-オーストリア・ハンガリーが中央ヨーロッパ(セントラルヨーロッパ)であった.さらに遡れば,ハプスブルク王朝のオーストリア・ハンガリー帝国は実にヨーロッパ本土の1/4を領有していた.また,乱暴な言い方が許されるなら,日本とハンガリーは2,000年前の同根の民族である.アッチラ大王に率いられ,中央アジアを出発して西に向かったフン族がハンガリー,フィンランドに落ち着き,東に向かったものが朝鮮半島・日本に達した(ウラルアルタイ語族).顔,体型は違っても血のなせるわざか,会ってすぐさま互いに並々ならぬ親近感を覚える.
今回,ハンガリーの医療事情,医学教育,そして外科現況の一端を紹介したい.
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