Japanese
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特集 内視鏡外科手術を安全に行うために
腹腔鏡下虫垂切除術を安全に行うために
Safety factors for laparoscopic appendectomy
近森 文夫
1
,
片岡 友和
1
,
国吉 宣俊
2
,
国吉 和重
3
,
高瀬 靖広
4
Chikamori Fumio
1
1国吉病院消化器外科
2国吉病院消化器内科
3国吉病院麻酔科
4筑波学園病院外科
キーワード:
腹腔鏡下虫垂切除術
,
合併症
,
安全策
,
ワイヤースネア
Keyword:
腹腔鏡下虫垂切除術
,
合併症
,
安全策
,
ワイヤースネア
pp.699-703
発行日 2004年6月20日
Published Date 2004/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100644
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要旨:腹腔鏡下虫垂切除術(LA)179例の合併症として腹壁トラカール刺入創部出血を1例,appendiceal stump abscessを1例,腹腔内遺残膿瘍を2例,臍部皮下膿瘍を2例経験した.腹壁トラカール刺入創部出血に対しては腹腔鏡下に鮒田式胃壁固定具を用いてトラカール創を縫合・止血した.断端膿瘍に対しては虫垂根部断端が壊疽性変化をきたしていたため,Endo GIA(R)を用いた盲腸部分切除とドレナージを施行した.腹腔内遺残膿瘍に対しては開腹によるドレナージを施行した.以上から,これら合併症を回避するためには,1)虫垂間膜や虫垂根部の体内結紮に不安があれば二重結紮とする手間は惜しむべきではない,2)フック型電気メスによる虫垂断端粘膜の焼灼による断端粘膜の静菌化,3)腹腔内汚染症例に対する十分な洗浄とドレナージ,また合併症の早期発見と修復のためには,1)終了時のトラカール刺入創部の出血の有無のチェック,2)モニタードレーンの挿入などが肝要と思われた.
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