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特集 内視鏡外科手術を安全に行うために
消化性潰瘍穿孔に対する腹腔鏡下大網被覆術を安全に行うために
Laparoscopic repair for perforated peptic ulcer
柏木 秀幸
1
Kashiwagi Hideyuki
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
キーワード:
消化性潰瘍
,
穿孔性腹膜炎
,
保存的治療
,
腹腔鏡下手術
,
大網被覆術
Keyword:
消化性潰瘍
,
穿孔性腹膜炎
,
保存的治療
,
腹腔鏡下手術
,
大網被覆術
pp.705-711
発行日 2004年6月20日
Published Date 2004/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100645
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要旨:消化性潰瘍穿孔に対し腹腔鏡下穿孔部閉鎖術は有用な治療法である.発症早期の限局性腹膜炎には保存的治療が,高度の腹膜炎には開腹手術が用いられるが,本治療は両者の間に位置している.開腹手術に比べ侵襲性が低く,保存的治療に比べ腹腔内洗浄ならびに穿孔部の閉鎖を行う利点を有している.特に,十二指腸潰瘍や胃潰瘍前壁の穿孔に有用であるが,穿孔部の閉鎖には大網被覆が用いられる.腹腔鏡下に穿孔部の大網被覆を安全かつ確実に行うには縫合手技の習熟と,この縫合を考慮したトロッカーの挿入位置が大切である.開腹への移行は術前の評価や内視鏡検査により減らすことができるが,本治療の目的は確実な救命にあるので,開腹への移行は躊躇しないことである.
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