病院めぐり
NTT東日本関東病院外科
小西 敏郎
pp.177
発行日 2004年2月20日
Published Date 2004/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100543
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電電公社の職域病院として1953年に東京・五反田に開設された関東逓信病院は,NTT(日本電信電話株式会社)と民営化され,病院も一般開放され,NTT東日本関東病院と改名した.そして情報通信のNTTが「世界に冠たるマルティメディア病院」をめざし,2000年12月に完全なペーパーレス/フィルムレスの電子カルテシステムKHIS 21(Kanto Hospital Information System 21世紀)を備えた新病院がオープンした.21世紀のユビキタス社会(“いつでも,どこでも,だれとでも”の時空自在の情報時代)における医療をめざしている.
外科ではクリニカルパスによる患者中心の医療を推進して,術後15日で退院する開腹先行の胸腔内吻合術や血管吻合によるスーパーチャージを行う胸部食道癌の手術,日帰り手術を含めて患者が治療法を選択するお好みメニュー方式の鼠径へルニアの手術,マイクロ血管吻合による乳房同時再建を伴う乳癌の手術,腹腔鏡補助下の胃癌・大腸癌の手術,経肛門アプローチによる直腸腫瘍の手術などの新しい治療を積極的に展開している.また,パスの導入により手術患者の入院期間を短縮できたことから,緊急手術患者の入院や,手術以外の食道癌の放射線化学療法,手術不能進行癌や術後再発癌の癌化学療法やターミナルの患者の緩和医療などでも積極的に受け入れている.また術後感染対策としての外科手術部位感染(surgical site infection:SSI)のサーベイランスは昨年から厚生労働省が国家事業として進めることになったが,当科がわが国の中心となって推進してきたので,術後のSSIの発生も減少している.
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