連載 アーキテクチャー×マネジメント・6
NTT東日本 関東病院
宇田 淳
1
1広島国際大学医療経営学部医療経営学科
pp.390-393
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209862
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■はじめに
都心にありながら静かな環境の中に立つNTT東日本関東病院(以下,関東病院)の前身は,1951年に設立された関東逓信病院である.1999年,日本電信電話株式会社の再編により,病院名を現在のNTT東日本 関東病院へと改称している.患者中心の高度医療を提供する21世紀に相応しい,「人にやさしい病院」「高度医療の提供をサポートする病院」「効率的運営を可能とする病院」を設計コンセプトに,1997年に新棟の建替工事に着工し,2000年12月に新病院が完成した.また,「世界に冠たるマルティメディア病院」を目指し,新病院は完全なフィルム・ペーパーレスの電子カルテシステムKHIS 21(Kanto Hospital Information System 21世紀)を備え,21 世紀のユビキタス社会(“いつでも,どこでも,だれとでも”の時空自在の情報時代)における医療の提供を目指した1).診療支援から経営管理に至るまで最新の病院システムを実現した,合理的で人にやさしい病院として,医療福祉建築賞2002を受けている(図1).
本稿では,病院情報システムについては,他の文献に委ねることとして,新病院完成から15年,成長と変化の中,医療安全や質の向上,患者サービスの向上についての取り組みを紹介する.
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