外科の常識・非常識―人に聞けない素朴な疑問・24
乳癌手術は生検後2週間以内か
上尾 裕昭
1
,
渋田 健二
1
,
三森 功士
2
Hiroaki UEO
1
1うえお乳腺外科
2九州大学別府先進医療センター腫瘍外科
pp.64-65
発行日 2006年1月20日
Published Date 2006/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100331
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
筆者が外科医としてスタートを切った1970年代は局所麻酔下の乳腺腫瘤の外科的生検が頻繁に行われ,乳癌の組織診断が確定した場合には「生検から2週間以内に根治手術(当時は乳房切除)を」と先輩に教えられ,手術予定の調整に走り回った.その後,全身麻酔下に術中病理診断をして直後に根治手術を行う直前生検(一期的手術)もたびたび経験したが,現在はそのような機会は激減している.
「外科的生検(biopsy)から根治手術(operation)までの期間(interval)」(以下,B-O Interval)は,乳癌の予後に影響を与えるのだろうか.乳癌の場合は,なぜ2週間以内なのだろうか.これらの古くて新しいテーマに文献的考察を加えてみたい.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.