特集 造血器腫瘍
Ⅳ 検査の実際
7.移植―3)キメリズム
中条 達也
1
,
中尾 眞二
1
Tatsuya CHUHJO
1
,
Shinji NAKAO
1
1金沢大学医学部附属病院血液内科
pp.1457-1460
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905258
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
同種造血幹細胞移植後に,提供者(ドナー)の造血幹細胞が生着すると,やがてすべての血液細胞はドナー由来細胞によって置き換わる.このように,患者である宿主(ホスト)の体の中にドナーの血液細胞が存在する状態をキメラと呼ぶ.ホストの血液細胞が完全に排除されすべてドナー由来細胞に置き換わった場合には完全キメラと呼び,多少ともホストの血液細胞が残存している場合には混合キメラと呼ぶ.造血幹細胞移植後のキメリズムとは,血液細胞中のドナー由来細胞とホスト由来細胞の混合の程度を指している.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.